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医療機関担当者の方

2026年度診療報酬改定の動向(在宅医療)

- Trends in medical fee revision -

​2026年度診療報酬改定 在宅医療の方向性を読む

厚生労働省の中医協で議論が進む2026年度改定。

在宅医療分野では“医師不足地域での提供体制”や“多職種連携”が主要テーマになっています。

第627回中央社会保険医療協議会 在宅について(その4)
■ 課題と論点および次回診療報酬の推論
※薬局の改正は在宅医療クリニック運営に直結する部分もあるので掲載、歯科訪問診療については割愛

② 薬局における訪問薬剤管理指導​

2-1 在宅薬学総合体制加算(麻薬備蓄・体制整備の不均質)

■ 課題

  • 加算の届出薬局は増加したが、麻薬備蓄や在宅実績が不足している薬局が多い。

  • 地域によって提供体制に差が大きい。

  • 在宅の質を担保できていない。

■ 論点

  • 本当に在宅対応できる薬局だけを評価する仕組みが必要。

  • 体制基準(麻薬備蓄・24時間対応・訪問実績)をどう厳格化するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 真に在宅対応できる薬局に対し、在宅薬学総合体制加算の上位区分を創設。

  • 麻薬備蓄・24時間対応薬局への 重点評価(点数増)。

 

2-2 在宅患者訪問薬剤管理指導料(6日ルール問題)

■ 課題

  • 6日間隔要件により、患者都合で訪問日がずれると算定不可。

  • 本来必要な訪問が報酬上評価されないケースが多い。

■ 論点

  • 6日間隔の硬直性をどう見直すか?

  • 患者の状態変化に応じた柔軟な訪問体系へ変更できるか?

次回診療報酬改定の推論

  • 6日ルール緩和(短期間でも算定可)。

  • 状態急変・在宅移行直後の集中的訪問を評価する加算の新設。

 

2-3 重複投薬・相互作用防止(医師×薬剤師の同時訪問)

■ 課題

  • 医師と薬剤師の同時訪問は高い減薬効果(ポリファーマシー是正) があるが、評価が弱い。

  • 薬剤費が膨張しやすい高齢者で特に重要。

■ 論点

  • 減薬・処方調整という「成果」を診療報酬でどう評価するか?

  • 同時訪問の体制要件(ICT記録・事前共有)をどう設計するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 医師×薬剤師同時訪問加算(増点 or 新設)

  • 減薬が実際に行われた場合の成果連動型加算(高点数) の創設。

 

2-4 精神科訪問薬剤管理(複数名訪問の評価不足)

■ 課題

  • 精神疾患患者では複数名訪問が必要だが、現行評価では 薬剤師単独訪問が前提。

  • 訪問看護では「複数名精神科訪問看護加算」があるのに薬局には類似評価がない。

■ 論点

  • 精神科支援における複数名訪問の診療報酬上の扱いをどうするか?

  • 多職種(薬剤師+看護師等)モデルの評価単価は?

次回診療報酬改定の推論

  • 精神科複数名訪問薬剤管理加算(新設)。

2-5 24時間対応・地域連携の不足

■ 課題

  • 訪問対応しているのに夜間・休日に連絡がつかない薬局が存在。

  • 地域における薬局間連携が弱く、在宅医療の体制が脆弱。

■ 論点

  • 地域薬局ネットワークの構築をどう促すか?

  • 夜間・休日対応の体制を加算でどう評価するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 在宅薬局24時間連携加算(新設)

  • 地域連携薬局・専門薬局の在宅領域の評価強化。

2-6 介護施設からの見返り要求(コンプライアンス問題)

■ 課題

  • 介護施設から薬局へ金品要求の事例がある。

  • 不適切な依頼が薬剤管理の公平性を損なう。

■ 論点

  • ガイドライン整備とコンプライアンス強化が必要。

  • 診療報酬で“適切な関係”をどう担保するか?

次回診療報酬改定の推論

  • コンプライアンス遵守薬局の評価(新設可能性)

  • 地域包括ケアの健全運営薬局の上位評価。

■ 中医協議事録
出典:中央社会保険医療協議会 総会(第627回、令和7年11月14日)議事録
本ページに掲載する「次回診療報酬改定の推論」に関する情報は、公開情報および当社独自の分析に基づく参考情報です。
記載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、実際の改定内容や運用方針とは異なる場合があります。
ご利用にあたっては、最新の厚生労働省・中医協の公式資料をご確認ください。
第626回中央社会保険医療協議会 在宅について(その3)
■ 課題と論点および次回診療報酬の推論
​※訪問看護については在宅医療クリニック運営に直結する部分もあるため掲載

1.訪問診療・往診等について

①24時間対応体制(自院・在宅医同士の連携・民間委託)

■ 課題

  • 医療機関同士のICT連携による24時間対応体制が一部地域では構築されているが、全国で見るとまだ多くが自院のみで負担している。

  • 24時間対応の負担増から、民間のコールセンター、往診代行業者を利用するクリニックが増加。

  しかし…

 ・患者が「誰が来るのか」事前に知らない

 ・医療的判断を誰が行うか不明瞭

 ・委託先との業務範囲・責任範囲が不明瞭
  といった問題が中医協資料で指摘されている。

  • 地域によって連携体制の質に大きな差があり、夜間・深夜の安全性にバラつきがある。

■ 論点

  • 民間委託を利用する場合の「患者への説明」「委託先の資格」「責任範囲」をどう明確化するか?

  • ICTによる triage(初期判断)や医療機関同士の共同当番制を、制度としてどう評価・支援するか?

  • 24時間対応において“形だけ”と“質の高い体制”の差をどう区別するか?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 民間委託を利用する場合、届出義務化・説明文書の標準化 により“曖昧な対応 → 無駄な往診・救急受診”の発生を抑制。

  • ICT triage(初期診断)で訪問自体を減らす方向に誘導。

  • 夜間対応の無駄な重複体制を排除し、効率的な共同連携を促進。

  • ICT連携を実施して夜間体制を構築したクリニック に対して「24時間在宅管理料の上位区分(点数増)」が設定される可能性。

  • 地域連携型24時間体制を実施している場合の新加算。

  • 民間委託を使用する場合でも“質の高い管理体制(説明・記録・統括機能)”を満たせば 管理料に加算(上位評価) がつく方向。

②在宅患者共同診療料(後方支援・在宅医と病院の共同診療)

■ 課題

  • 年間算定 14件 と機能しておらず、制度が“死に制度”化。

  • 要件が厳しすぎて、往診を同伴、病院側の負担が大、記録・連携が煩雑。

  • 実際には病院医師が電話やICTで助言する場面が多いのに、制度上評価されていない。

  • 急変時にも、連携が弱いと不必要な救急搬送や入院につながり、医療費が膨らむ。

■ 論点(詳細)

  • 遠隔支援(D to P with D / D to D)を診療報酬としてどこまで評価するか?

  • 共同診療の要件を「対面前提」から「遠隔・ICT前提」へ転換すべきでは?

  • 急変対応の質を高めて 高額医療(救急・入院)を抑制 する枠組みにどう変えるか?

■次回診療報酬改定の推論

  • 「ICT併用共同診療加算(新設)」の可能性。

  • 病院側が在宅医の診療をモニタリング・助言した場合に共同診療料の上位区分(点数増加)。

  • 後方支援体制を届出した医療機関に対して在宅時医学総合管理料への加算の可能性。​

 

③ 材料加算(在宅療養指導管理材料加算の複雑性)

■ 課題

  • 種類により月1回算定、月に2回、3月に3回と算定ルールがバラバラ。

  • そのため「算定のために訪問回数を調整」 する歪んだ運用が発生。

  • 月15万例で複数加算の併算定が生じており、制度として過度に複雑化している。

■ 論点

  • 算定ルールを統一し、現場の事務負担を減らすべきでは?

  • 複雑な医療材料を扱う患者への評価は別枠で残すべきでは?

  • 診療頻度は医師の医学的判断に委ねるべきでは?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 算定頻度の統一(3ヶ月に3回) が最有力。

  • 材料別の算定を包括化し、過剰算定を抑制。

  • 訪問回数の歪んだ増加を抑えて医療費適正化。

  • 在宅呼吸器・在宅IVH・気切・褥瘡重度など「医療材料の管理が高度なケース」を対象に上位材料管理加算(新設・点数アップ)

  • 高難度症例に限っては月1回の上位評価を認める可能性。

④ 衛生材料・医療材料の提供ルール(企業→患者への直送)

■ 課題

  • 現行ルールでは薬局経由が前提で、製造業者→患者宅の直送の可否が制度上不明確。

  • 材料手渡しのために医師や看護師が訪問せざるを得ず、非効率な運用が多数発生。

  • トレーサビリティ(誰が渡したか)が曖昧になるケースもある。

■ 論点(詳細)

  • 直送を制度的に認める条件をどう整えるか?

  • 郵送料の扱い(保険?自費?医療機関負担?)

  • 医師の指示書の形式・記録義務をどうするか?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 直送解禁による訪問削減(材料渡し訪問の削減)。

  • トレーサビリティ義務化で誤提供・誤算定を防ぐ。

  • 医師が材料の使用指示・管理指導を行った場合の在宅材料管理指示加算(新設)

  • 高難度材料(IVHセット・褥瘡材料・ストマ管理等)は材料管理加算の上位区分(点数アップ)

⑤ 医師×薬剤師の同時訪問(減薬・残薬管理)

■ 課題

  • 同時訪問で減薬率が高まり、ポリファーマシー改善に効果があることは明らか。

  • しかし制度で十分評価されておらず、現場では“実質ボランティア”状態に近い。

  • 高齢者の薬剤過多が入院・転倒・せん妄を誘発し医療費増大の原因。

■ 論点

  • 減薬の成果を診療報酬でどう評価するか?

  • 同時訪問の記録・エビデンス(ICTログ)をどう扱うか?

  • 医師主導か薬剤師主導かなど役割分担をどう整理するか?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 「医師+薬剤師 同時訪問加算(新設 or 大幅アップ)」

  • 減薬の成果(処方数減少・残薬削減)があった場合の成果連動型加算(新しい概念)

  • ICTで薬歴共有を行った場合の加算上位区分

⑥ ICT活用(情報連携・D to P with D/D to D)

■ 課題

  • 情報共有が紙・電話中心で、誤情報・伝達漏れが頻発。

  • ICTの導入ステーション・医療機関に大きな格差。

  • D to P with D の仕組みが広がりつつあるが制度評価が十分ではない。

■ 論点

  • 標準的な情報共有フォーマットをどう設定するか?

  • オンライン支援をどう評価するか?

  • 安全性・セキュリティ要件をどう整えるか?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 遠隔支援で不要な往診・専門医の出張を削減。

  • CT記録の標準化で誤診・二重対応を抑制。

  • 往診時ICT情報連携加算の点数引上げ

  • 遠隔支援を行った場合の ICT遠隔支援加算(新設)

  • 情報共有標準フォーマットを満たした医療機関に上位評価(管理料アップ)。

⑦ 地域差の是正(都市部の過剰・過疎地の不足)

■ 課題

  • 都心部で往診算定が過剰、過疎地で提供不足。

  • 地域で提供量が大きく偏り、医療資源が適切に分配されていない。

■ 論点

  • 過疎地への支援をどう具体化するか?

  • 都市部の“濃すぎる”サービスをどう調整するか?

■ 次回診療報酬改定の推論

  • 都市部での細かな算定要件の見直し。

  • 過剰地域での無駄な往診や過剰算定を抑制。

  • 過疎地で訪問診療を実施する医療機関に地域包括加算(強化版)

  • 訪問距離・訪問困難エリアに対する 距離加算・地域管理加算 の拡大。

 

2.訪問看護について

① 訪問看護の現状と利用者の増加(全世代・医療保険/介護保険)

■ 課題

  • 利用者は医療保険・介護保険ともに大幅増(医療保険は平成13年の 4.3倍、介護保険は 11.7倍)

  • 高齢者が中心だが、若年層(精神疾患・小児)が急増し、ケア内容が多様化。

  • 医療保険と介護保険の優先順位・算定ルールが複雑で、医療機関・ケアマネとの調整負担が増加。

  • 医療保険対象者(難病・末期がん・急性増悪など)と介護保険対象者の判断が分かりづらい。

■ 論点

  • 利用者増加に合わせ、評価体系を疾患横断型(重症度・医療的ケア依存度)に再整理すべきか?

  • 医療保険/介護保険の境界を分かりやすくし、主治医・看護師の事務負担を軽減すべきか?

  • 特に小児・若年層の支援が増えている現状を踏まえ、新しい加算体系の構築が必要。

次回診療報酬改定の推論

  • 医療保険と介護保険の「二重構造」の整理 

  • 主治医判断の統一化(指示書様式の標準化)。

  • 医療的ケア依存度の高い患者(難病・人工呼吸器・IVH等)を重点評価

  • 小児・若年層の増加に伴い、小児訪問看護の上位区分(加算)を新設する可能性が高い。

 

② 精神科訪問看護(周産期・ひきこもり・未受診者・小児など複雑化)

■ 課題

  • 精神科訪問看護のニーズが高い利用者(周産期、小児、ひきこもり、未受診者など)が増加。

  • 多機関連携が必要だが、医療側、児童相談所、行政、家族などの連携が不十分で支援が継続困難になりがち。

  • 現状の算定は加算の要件が極めて厳しく、カンファレンス義務が重く算定回数は実質0件に近い。

■ 論点

  • 「精神科訪問看護の高度機能ステーション」を制度的にどう評価するか?

  • 多機関連携(行政・児童相談所・精神保健センター等)をどのように診療報酬へ反映するか?

  • 現場負担が大きすぎる要件(共同カンファレンス義務)をどう見直すか?

次回診療報酬改定の推論

  • 「精神科訪問看護・高度連携加算」(仮称)新設の可能性。

  • 小児や周産期などハイリスク群に対する重点評価(高点数区分)

  • 多機関連携を行った場合の連携加算の新設の可能性。

 

③ 難治性皮膚疾患への訪問看護(重症例の増加)

■ 課題

  • 重症の難治性皮膚疾患に対して、訪問看護の介入が増加している。

  • 皮膚管理・処置に看護技術が必要だが制度上は十分評価されていない。

  • 処置時間・材料管理・患者教育の負担が大きい。

■ 論点

  • 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を別表第8に追加すべきか?

  • 看護師の専門性(褥瘡・皮膚ケア)の評価をどう高めるか?

  • 医療材料の管理との整合性をどう取るか?

次回診療報酬改定の推論

  • 難治性皮膚疾患管理の新加算(高点数)

  • 特定看護分野(WOC等)の専門性の評価強化。

④ 妊産婦・乳幼児への訪問看護(母子支援の明確化)

■ 課題

  • 育児支援目的の訪問看護は診療報酬対象外だが、医療的ケアと育児支援がセットで必要なケースが多い。

  • 現場で「育児支援はどこまで看護時間に含むか?」が曖昧で運用に差がある。

  • 小児の医療的ケア児が増加し、専門看護師の不足が顕著。

■ 論点

  • 育児支援を“医療的ケアの延長”としてどう明確化するか?

  • 妊産婦・乳幼児看護の専門看護師の評価をどう取り入れるか?

  • 頻回訪問の必要性に対し、現行点数が低い問題。

次回診療報酬改定の推論

  • 母子訪問看護加算(新設可能性高い)

  • 育児支援を含む医療的ケア時間の明確化(算定可範囲拡大)。

 

⑤ ICT情報連携(訪問看護ステーションの連携強化)

■ 課題

  • 訪問看護ステーションの 58.1% がICT連携を構築済みだが、連携に対する加算が存在しない。

  • 多職種連携におけるICTは必須になっているが、負担に対する財政的補填がゼロ。

■ 論点

  • 医師の在宅医療情報連携加算(2024新設)との整合性をどう取るか?

  • 訪問看護ステーションが蓄積したデータを医学管理にどう活かすか?

  • 連携ログ・セキュリティをどう標準化するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 多職種の調整時間削減 → 効率化による間接的な医療費抑制。

  • 訪問看護ICT連携加算(新設濃厚)

  • 定期カンファレンスのICT実施に対する評価強化。

 

⑥ 訪問看護指示書(郵送代・交付方法)

■ 課題

  • 郵送費を「医療機関が負担か?」「ステーション負担か?」が統一されていない。

  • HPKIを使った電子交付が可能だが普及していない。

  • 指示書依頼・交付に事務負担が集中し、業務停滞につながっている。

■ 論点

  • 郵送代を誰が負担するか制度的に明確化すべき。

  • 電子交付の標準化(HPKI義務化の是非)。

  • 指示書管理の効率化と透明性をどう確保するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 指示書誤交付の防止で無駄な訪問削減。

  • 正式な電子交付体制を整えたステーションに「電子指示書管理加算(新設)」の可能性。

⑦ 安全管理体制(事故・インシデント対応)

■ 課題

  • 訪問看護の事故・インシデントは一定数発生している。

  • 医療安全研修は医療機関では義務だが、訪問看護ステーションでは義務ではない。

  • 利用者の医療依存度が上がる中、安全管理の質に格差がある。

■ 論点

  • 医療安全研修受講を義務化すべきか?

  • 安全管理のPDCAをどう標準化するか?

  • 実施状況を加算でどう評価するか?

次回診療報酬改定の推論

  • 医療安全体制の標準化でミスによる二重対応を抑制。

  • 医療安全管理加算(新設)

  • 研修受講・安全管理体制を整備したステーションへ上位評価。

⑧ 記録の標準化(加算要件の明確化)

■ 課題

  • 訪問看護の記録は介護制度の要件が中心で、医療保険上は不十分な部分がある。

  • 記録量が多く看護師の負担が大きい。

  • 他職種間でデータ互換性が低いため、情報が伝わりにくい。

■ 論点

  • 医療保険向け記録の標準化をどう整備するか?

  • 介護記録との整合性をどう高めるか?

  • ICT記録の義務化の可否。

次回診療報酬改定の推論

  • 訪問看護記録管理加算(新設)

  • ICT記録・標準フォーマット使用ステーションへの評価。

⑨ 過疎地域の訪問看護(移動負担の増大)

■ 課題

  • 特別地域訪問看護加算はあるが算定率は横ばい。

  • 移動時間が1時間以内でも、遠距離移動、長時間ケアが必要なケースが多い。

  • 都市部と過疎地で収益性に大きな差 → 人員確保が困難。

■ 論点

  • 過疎地域の訪問看護をどう維持するか?

  • 移動の負担をどう評価に反映するか?

  • 都市部の過剰供給とのバランスをどう取るか?

次回診療報酬改定の推論

  • 地域包括型訪問看護加算(強化)

  • 移動距離・移動負担に対する「距離加算」拡大 の可能性。

■ 中医協議事録
出典:中央社会保険医療協議会 総会(第626回、令和7年11月12日)議事録
本ページに掲載する「次回診療報酬改定の推論」に関する情報は、公開情報および当社独自の分析に基づく参考情報です。
記載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、実際の改定内容や運用方針とは異なる場合があります。
ご利用にあたっては、最新の厚生労働省・中医協の公式資料をご確認ください。
在宅医療クリニック向け
「BCP(医療業務継続計画)」運用マニュアル
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中医協(中央社会保険医療協議会)では、2026年度診療報酬改定に向けて、災害・感染症・サイバー攻撃などの発生時に医療を継続できる体制──「医療継続力」を評価する議論が進んでいます。

 

特に在宅療養支援診療所では、BCP(業務継続計画)の策定が義務化される可能性が高まっています。

 

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第618回中央社会保険医療協議会 在宅について(その2)
■ 要点まとめ

1.訪問診療・往診等について

1-1 訪問診療・往診の提供体制等について

・地域で24時間の往診体制を「面」で確保するため、連携型在支診・在支病の評価を細分化。

・機能強化型在支診・在支病の中にはBCP(事業継続計画)を策定していない施設も多く、災害対応力の強化が課題。

・医療情報共有(往診時医療情報連携加算)の算定機会拡大も議論対象。

1-2 在宅医療において積極的役割を担う医療機関への評価について

・自宅死亡者数は10年で約2.5倍に増加。

・機能強化型在支診・在支病では、看取り・緊急往診・重症者対応・医育機能(研修医受入)などを担う例が多い。

・地域の中核を担う在宅医療機関をより明確に評価し、「在宅緩和ケア充実加算」との統合・整理が検討中。

1-3 患者の状態等に応じた適切な診療の評価について

・在宅時医学総合管理料・施設総管について、要介護度が低い患者も多く含まれており、実態と報酬の乖離が指摘。

・重症患者割合、紹介実績、看取り件数などを基に、「状態別の適正評価」を求める議論。

・在宅専門診療所(訪問2100回/月以上)と一般診療所で提供体制に格差がある。

1-4 へき地における在宅医療について

・医師派遣によって成り立つへき地診療所が多く、常勤医がいない施設も約70か所。

・時間外対応は派遣元病院が担っている場合が多い。

・現行では、常勤医不在だと在医総管・施設総管を算定できないため「派遣医対応でも算定可能とする」方向で検討。

1-5 訪問栄養食事指導について

・医療保険・介護保険ともに実施件数は10年前の約4倍だが、依然として実施率は低い(652回/月)。

・管理栄養士不足・退院直後の支援不足が顕著。

・今回の議論では、退院直後の医療機関による訪問栄養食事指導を評価対象に追加する案が提示。

2.訪問看護について

2-1 訪問看護・高齢者の住まいの現状

・高齢者住宅や有料老人ホームなど、医療ニーズの高い居住環境が増加。

・看護体制は地域差が大きく、医療依存度の高い患者への対応が偏在。

・在宅医療との情報共有や役割分担の明確化が求められる。

2-2 頻回な訪問看護の状況等について

・医療依存度が高い患者に対し、短期間での頻回訪問が増加。

・医療保険と介護保険の適用区分が複雑で、算定誤りや事務負担が生じている。

・頻回訪問の基準や報酬評価の見直しを検討中。

2-3 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について

・看護職員数や24時間体制要件の厳格さが小規模ステーションの参入障壁に。

・夜間・緊急対応の負担軽減策としてICT連携・遠隔支援の活用が議題に。

・事業基準の柔軟化と人材確保を両立させる方向で検討中。

■ 次回診療報酬改定の推論

1-1 訪問診療・往診の提供体制等について

・在支診・在支病の“地域連携評価”の段階化(Ⅰ〜Ⅲなど)
 → 機能強化型・連携型を含め、地域連携・情報共有・BCP体制などを要件別に評価。

・医療情報共有加算の再構築(ICT包括化)
 → 現行の複数加算を一本化し、「在宅医療DX加算(仮称)」として再評価される見込み。

・BCP策定・実施状況を要件化
 → 災害対応・感染対応を整備していない施設は段階的に算定不可となる方向。

1-2 在宅医療において積極的役割を担う医療機関への評価について

・“積極的役割を担う医療機関”の新加算創設(仮称:在宅中核医療機関加算)
 → 在宅緩和ケア・研修受入・24時間往診実績を総合評価。

・看取り・急変対応実績による段階評価化
 → 緊急往診件数・看取り件数・研修医受入などをスコア化し、報酬が変動。

・地域支援体制との連動強化
 → 医師会・医療計画との整合性を踏まえ、自治体単位での指定制導入の可能性。

1-3 患者の状態等に応じた適切な診療の評価について

・在医総管・施設総管の“重症度別評価”導入
 → 医療依存度(在宅酸素・胃瘻・褥瘡など)に応じてⅠ〜Ⅲ区分化される可能性。

・報酬の適正化(軽症者の評価引き下げ)
 → 医療区分の低い患者は包括評価または介護保険移行を促す方向。

・紹介実績や多職種連携の実績評価化
 → ケアマネ・訪問看護・薬剤師との情報連携実績が算定条件化の可能性。

1-4 へき地における在宅医療について

・常勤医要件の緩和(派遣医対応を算定可能に)
 → 医師派遣を受けて在宅診療を行う場合でも、一部算定を認める方向。

・地域医療維持目的の特例評価新設
 → 「へき地在宅医療支援加算(仮称)」として、派遣型診療への補助評価が導入される可能性。

・遠隔診療支援・情報連携の評価
 → D to P with D(専門医支援)の仕組みをへき地在宅医療にも適用。

1-5 訪問栄養食事指導について

・退院直後・在宅移行期の訪問栄養加算創設
 → 医療機関が退院時に継続的栄養支援を行う場合を評価。

・多職種連携加算化
 → 医師・薬剤師・管理栄養士が同行・情報共有した場合の加算新設。

・管理栄養士配置要件の緩和(地域連携方式)
 → 常勤配置が難しい診療所にも、地域栄養ケアステーション連携で算定可に。

2-1 訪問看護・高齢者の住まいの現状

・高齢者住宅向け訪問看護の明確化・包括評価化
 → 「集合住宅訪問看護管理加算(仮称)」として新評価の可能性。

・医療保険・介護保険の調整ルールの明確化
 → 二重算定を防ぐため、訪問回数と内容を基準化。

・住宅系施設の医療連携体制の見直し
 → 施設ごとに医療連携協定を義務付ける可能性。

2-2 頻回な訪問看護の状況等について

・頻回訪問加算の段階評価化(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)
 → 訪問回数・医療区分・緊急性を基準に細分化。

・医療・介護保険間の調整指針の明文化
 → 頻回訪問の判断基準を統一(医療依存度ベース)。

・ICT活用型の遠隔看護支援の評価
 → 「訪問+リモート管理」を組み合わせた新加算創設の可能性。

2-3 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について

・人員基準の柔軟化(共同運営・連携型ステーションの制度化)
 → 2〜3事業所連携で24時間対応要件を満たせる仕組みを検討中。

・夜間対応加算の分化・実績連動化
 → 夜間出動実績や常勤比率に応じた段階的報酬へ。

・ICT・AI活用型運営体制の新評価
 → 遠隔記録共有・AIリスク通知等を導入した事業所を重点評価。

■ 中医協議事録
出典:中央社会保険医療協議会 総会(第618回、令和7年10月1日)議事録
本ページに掲載する「次回診療報酬改定の推論」に関する情報は、公開情報および当社独自の分析に基づく参考情報です。
記載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、実際の改定内容や運用方針とは異なる場合があります。
ご利用にあたっては、最新の厚生労働省・中医協の公式資料をご確認ください。
第615回中央社会保険医療協議会 在宅について(その1)
■ 要点まとめ

1.在宅医療を取りまく状況について

・高齢化の進展により在宅医療需要は増加傾向。2040年をピークに患者数が最大化する見込み。

・第8次医療計画では「在宅医療に積極的役割を担う医療機関」の位置づけを強化。

・ICTを活用した医療・介護の情報共有(在宅医療情報連携加算、往診時医療情報連携加算など)が拡大。

・医師不足地域では、在宅医療の担い手確保が課題となっている。​

2.訪問診療・往診について

・訪問診療・往診の需要が高まる中、質と量の両面での整備が求められる。

・D to P with D(専門医連携)の試行が進む。

・在宅療養支援診療所・病院による支援体制や、協力医療機関との連携評価が導入。

・ICTを活用した往診時医療情報連携加算が新設(算定数はまだ少数)。

3.訪問看護について

・訪問看護の利用率は高齢者ほど増加し、2040年頃にピークを迎える見通し。

・24時間対応体制加算の見直しにより、夜間・緊急訪問が増加。

・オンライン資格確認・請求が開始。

・一部の高額算定や回数設定の不適正事例が指摘され、指導体制を強化。

4.歯科訪問診療について

・高齢化とともに歯科訪問診療は増加しているが、提供機関は歯科診療所で2割未満、病院では1割未満にとどまる。

・要介護高齢者の推定需要に対して供給は約5割。

・2024年度改定で診療料区分を細分化し、後方支援を担う「在宅療養支援歯科病院」を新設。

5.訪問薬剤管理指導について

・薬局全体の約40%が在宅薬学総合体制加算を届出。実施件数は年々増加。

・麻薬調剤や無菌製剤、小児訪問対応など高度な薬学管理を求められる。

・約9割の薬局で夜間・休日対応体制を整備。

・無菌調剤やターミナル期対応など、体制整備が課題。

6.訪問栄養食事指導について

・訪問栄養食事指導は回数が少ないが、令和6年時点で平成24年比約4倍に増加。

・改定により、在支診・在支病で体制整備を要件化。

・非実施理由は「管理栄養士がいない」「院内業務が多忙」「対象患者が少ない」など。

■ 中医協議事録
出典:中央社会保険医療協議会 総会(第615回、令和7年8月27日)議事録
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